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お年賀SS後編

後編です。

予想通りの展開ですが(笑)
こんなので宜しければ続きよりどうぞ~。



「…っ」
夢だった。
思わず飛び起きると、びっしりと寝汗を掻いていた。
「おはようございます」
「うわあ!」
襖が開いて顔を覗かせたのは、兄弟子だった。
「なんですか、人を化け物みたいに」
「いや…」
思わず取り乱してしまった。
「早く支度なさらないと。生番組で映画の宣伝をされるんでしょう」
「あ、ああ…」
着替えて、父と兄弟子が待つ居間へ向かう。
「おめでとうございます」
「うむ」
「今年も、更に稽古に精進する所存です」
「そうだな」
そう。
父・嵐蔵に年始の挨拶をして、アルトは漸く実感が湧いた。航宙科でパイロットの訓練は続けるが、それも全て歌舞伎のため。

演技の幅を拡げるため、今回のドラマ、映画も出た。
その中で、シェリルとランカという二人の少女と出会った。
彼女たちに刺激を受けたのも、事実であり。また、シェリルに対して彼はある”気持ち”を抱き始めていることを、彼自身自覚していた。

彼女とのデートを夢にまで見るとは。
そう考えて、もう一点気付いた。今日が正月で、つまり先ほどの悪夢は…。
「初夢、ってやつか…」
「初夢がどうかしたんです?」
矢三郎に耳ざとく聞かれ、アルトはぐっと雑煮の餅ごと言葉を一度飲み込んだ。
「いや…さっき、なんだか嫌な夢を視て。初夢が悪夢だった場合、どうすればいいのかな、と」
「気にすることはないだろう」
一刀両断に吐き捨てるように言ったのは、父だった。てっきりくだらない、と言われるのかと思ったが。
「夢は逆夢、というからな。悪夢だった場合、良いことの予兆だと思えばいい」
「そ、そうですよね」
無骨ながらも父の言葉に励まされ、アルトは漸く安堵した。


そして、彼は意気揚々とテレビ局のスタジオに向かった。
「おはようございます。…あ、おめでとうございます」
「おめでとうございます。正月早々、申し訳ないが宜しくお願いいたします」
「いえ、こちらこそ」
スタジオに入り、関係者と口々に挨拶を交わす。そして、
「あけましておめでとう、アルト」
「早乙女君、今年も宜しくお願いしますね!」
シェリルとランカが二人同時にスタジオへ入ってくる。
「ああ、宜しく…」
昨年公開された劇場版ヒットの御礼にと、正月から特番を組まれ、急遽それに出演することになったのだ。
シェリルもランカも、日本の正月を意識したのか、振り袖で愛らしい姿だった。
ランカは相変わらず『早乙女君』と呼んでくるが、シェリルは劇場版の録りに入る頃から、『アルト』と呼んでくれるようになった。
(俺たちの距離、縮まってきてるよな)
やはりあれはただの夢で、もしかしたら逆夢で。
(つまり…もしかしたら。今年こそはシェリルと…)
「シェリル。和服も…似合うな」
当然でしょ、などと返されるかと思ったが。
「ありがと」
彼女は少しはにかんで微笑む。すると、
「ほんと、素敵ですシェリルさん!」
アルトとシェリルの間に割り入るように、ランカが突然シェリルに飛びつくようにして叫んだ。
「うふふ。ありがとう。ランカちゃんも可愛いわよ」
「ありがとうございますー!」
こいつだけは夢と変わらないんじゃないだろうか。
そんなことを思いながらも、何とか生放送は無事に終了した。
そして、
「お疲れ様」
「お疲れ様でーす」
収録が終わり、テレビ局の食堂で軽く打ち上げをしていると、
「うふふ、シェリルさん。今日ね私、すっごく良い夢を視たんですよ」
不気味なほど満面な笑みを浮かべ、ランカはシェリルに話しかけた。
「夢?」
「シェリルさんは、初夢視ました?」
「はつゆめ?」
「正月の朝とか、要はその年で一番最初に視る夢を初夢、て言うんですよ。私、とっても良い夢視ちゃってー」
「…うーん。夢はね、いつも視ないのよ。多分視ているんでしょうけど…起きたら忘れちゃってるわ」
「そうなんですか…。私の夢に、シェリルさんが出てきたんです。だからもしかしたら、シェリルさんも同じ夢を視てくれたかな、って」
「ご、ごめんね?」
「シェリル、謝ることはないぞ」
思わずアルトは口を出していた。まさかとは思うが、何となく不安を覚えたのだ。
「まあ、そうですよね。…すみません」
ランカはシェリルにそう謝り、
「そういえば」
と、アルトに向き直った。
「アルト君も、居た気がするよ?」
「そ、そうか」
アルトの背を冷や汗が伝う。
「うん、まあ…気のせいだったかも?」
「そうだな、気のせいだな」
だが何故か、ランカは意味ありげな表情を浮かべていた。
「…なんだよ」
「うん?べーつに」
アルトが眉間に皺を寄せていると、
「やだー、アルトちゃんとランカちゃん、何お話ししてるの?仲良いわね-」
ボビーがわざとしなっと腰をくねらせ、そう言い、
「そうね、楽しそうね」
シェリルまでそう言ってきた。
「べ、べつに!」
「誤解です、シェリルさん!」
二人同時に叫んでしまう。
「…ま、仲が良いのは良い事よね。この調子で、完結編も頑張りましょ」
シェリルはそう言って、立ち上がる。出口にグレイスが迎えに来ていたようで、あっさり帰ってしまった。彼女は正月早々、これから他にも仕事があるのだ。

すると、
「アルト君、今年は…完結編では負けないからね!」
シェリルがいなくなってすぐ、ランカがアルトに告げる。
「望むところだ」
「だから、宜しくね」
「ああ」
「手加減はしないよ?」
「それはこちらの台詞だ」
何をかけて、何のための勝負なのか。お互い、口に出さずとも分かってしまったのだ。

二人の視線に、静かな火花が散らされる…。
それを見守る人々の間に不安は残ったが、何も言うことは出来なかった。



…正月早々こんなんで申し訳なく…。
うちは今年もこの方針です。
こんなのでよろしければ、どうぞお持ち帰り下さい。
もし『転載したい』という奇特な方、いらっしゃいましたらご一報お願いします。

あ、でもミハアルとかアルミハは書けません(笑)
こんなんでもうちは一応健全サイトです(?)

今年中に映画完結編、公開されると良いな~

テーマ : マクロスF
ジャンル : アニメ・コミック

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ようこそおいでくださいました。
こちらはマクロスフロンティア感想・および原作とは全く関係のない妄想小話の吐き出し部屋です。
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銀河の妖精至上主義
一応映画が公開されるまでの期間限定ですが、もしかしたら延長もあるかもしれません(笑)
→とりあえず完結編公開まで。

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