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シェリルさんとSMS小隊の歌

SMS小隊の歌を聴いて作ってみました。
シェリルさん天然、ランカちゃんが微妙に黒いです(笑)
一応、TV本編後の設定のつもりです。


SMS小隊の歌~シェリル編
※お手元にCDがあれば聴きながら読むと楽しいかも知れません。
歌詞カードもどうぞご参照下さい。


(また、はじまっちゃったんですね…)
わはははは、と笑い声と共に店の奥からだみ声混じりの歌が響いて、ナナセはカウンターでそっと笑いをかみ殺した。
今日はSMS小隊の恒例行事である、慰労会のため娘々は貸し切りだった。珍しくランカとシェリルももうすぐ合流することになっているが、それより先にもう一部の面々は出来上がってしまったようだ。
「ナナセ、これ持ってくアルね」
「はい、店長」
娘々名物鮪まんを初めとした熱々の点心セットが乗ったワゴンを押し、隅にいる暇そうなアルトとルカに勧めようと近付いた、その時だった。
「なってないわ!!」
「……!?」
高らかな女王様の声に、辺りは一瞬で静まりかえった。
見ると、入り口でシェリルが仁王立ちしており、その背後にはランカとブレラがいた。
「ちょっと、それじゃ”歌”と呼べないわ。気合いが足りないのよ、気合いが!もう一度歌ってご覧なさい!」
びしい、と指さされたのは先ほどまで「SMS小隊の歌」を歌っていた連中だった。殆どが若い下っ端達で、憧れのシェリルから突然叱責され、嬉しいやら驚くやら怖いやらで、身動きが取れないでいたのだが。
「ほら、さっさとしなさい!」
もう一度言われ、仕方なく歌い始めた。だがすぐに、
「出だし!声揃ってないわよ!」
と言われてはいいいい!と彼らはまた歌い始めたが、あるところで、止まってしまった。無理もないことであるが、ここから先は女子の前で歌うのは気が引けるのだ。ましてや相手は憧れのシェリルである。だが、彼らの純情(?)とはよそに、
「なんでそこで止まるの!?ほら、ほかのみんなも歌いなさいよ!」
シェリルが再び怒鳴る。
もうやけだ、とオズマが声を張り上げた。だが、
「ちょっと、オズマさん、音程全然違うでしょう!?他に誰か歌える人いないの?これは軍歌みたいなものなんでしょう!?」
「SMS小隊の伝統ある隊歌だよ、シェリルさん」
ジェフリー・ワイルダー艦長が前に進み出て、朗々と歌い上げた。その後ろでモニカが顔を赤らめている。

艦長が歌いきると、
「こういう歌なのね、かっこいいじゃない」
と、感心したようにシェリルは褒める。それから、
「大事な歌なんでしょう?ほらみんな歌って!」
と、再び声を上げた。

だがやはり、
「ぶっといミサイル打ち込んで~銀河に種をばらまこう」
では、みな声が小さくなる。そしてシェリルの叱責がまた飛んできた。
「ちょっと、なんでそこだけ声小さいのよ!?もっと腹の底から出しなさい!」
隅のテーブルでルカは頬をあからめ、アルトはひきつった表情を浮かべている。ナナセは彼らに近づき、訊ねた。
「…シェリルさん、もしかして歌の意味わかってらっしゃらないんじゃ…」
「そ、そうですね、ほらアルト先輩、ここは一つ」
「おい、なんで俺なんだよ」
ひそひそとやっていると、
「アルト!ルカ君!あんたたちもさぼってないで歌いなさい!このシェリル自らが稽古付けてあげるのよ!こんなサービス、めったにしないんだから感謝しなさい!」
「お前…」
諦めてアルトは立ち上がり、シェリルに話しかけた。
「この歌の意味、わかってないだろう」
「え?」
「どういう歌詞か、考えて聴いてみろよ」
そう告げるのがやっとだったが、シェリルはあっさりと、
「知ってるわよ」
と応えた。声にならないざわめきが周囲で広がる。
「SMSって、表向きは運輸会社でしょ?でも実態は民間軍事プロバイダ?で、宇宙に出て色々している訳よね。ミサイルとかも使って」
「……」
正解ではないが、間違えているとも言えない。周りが黙っていると、
「銀河に種、ってあれでしょう?開拓した星に種を蒔いて農地を作ろう、ってことなのよね」
「…そう、解釈したか」
アルトが脱力しながら言うと、
「何よ、間違っているって言うの?」
「いや。…間違っては、いない、と思う」
アルトの態度に未だ腑に落ちない物を感じていたのだろう、シェリルは首を傾げたが、
「良い歌じゃない」
と言い、
「ほら、見本を見せて上げるわ。……あたしの歌を、聴け~~~~~~~!!」
アルトが止める間もなく、歌い始めた。

シェリル独自にビートを付けて、見事に歌い上げる。それは流石だが…。
「ほら、みんなも歌って!アルト、あんたもよ!」
マイクを突き出され、アルトもやけになって歌い始めた。
だが、
「何よ、全然出来て無いじゃない!」
と怒鳴られ、結局シェリルが満足するまで、ほぼ徹夜で皆歌わされたのだ…。


「シェリルさんって、本当に歌が好きなんだよねー。あたしも見習わないと☆」
「ランカさん、シェリルさんのレッスン、っていつもあんな感じなんですか…」
アルト達がいたテーブルで、ランカとブレラは食事を始めていた。ナナセも同席している。
「うん。あたしの時はもう少し優しいけど。でもそれだけ歌が好きで、真剣だからみんなが中途半端に歌ったのが赦せなかったんじゃないかな」
「…あんな、歌詞でもですか…」
「うん、そう。まあ…ちょっとアレだけどね」
ぺろり、とかわいらしく舌を突きだして言う。ランカは以前歌ったことがあった。
「あの歌詞の意味、教えて上げた方が良いんじゃ」
「……シェリルさんにはあのまま、まっさらのままでいて欲しいの…」
うっとり、とランカは胸の前で手を組んで呟く。
「だから、シェリルさんに近付くゾウリムシさん達は、全力で排除しないと!」
その視線の先にはシェリルの横で歌っているアルトの姿。
「え…」
――ゾウリムシ、ってまさか…。
「シェリルさん、あたしも一緒に!」
つかつかつかと歩み寄ってアルトのマイクを奪い、シェリルとアルトの間にさっと入り込んでランカも歌い始めた。

こうして娘々の夜は更けていく。
深夜、この店の近くを通りがかった人たちは不思議な歌を聴いたと言うが、結局その謎は解明されることはなかった。

テーマ : マクロスF
ジャンル : アニメ・コミック

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