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SAKURA【後編】

SAKURA
【後編】

アルシェリアルシェリ(呪文)…。
といいつつ、ラストはこんな感じです(笑)



「ただいま」
「お帰りなさい。買ってきてくれた?」
「ああ」
今日は彼女の久しぶりのオフで、それに合わせて自分も無理矢理休みを取った。実家から遊びに来るように、と誘われたが、二人で過ごしたくて、彼女も同じ気持ちだったのだろう、断った。
そして、彼女のマンションへ向かう途中にお使いを頼まれたのだった。
「お金、払うわね」
「ああ」
これくらい買ってやるよ、と言えない自分の懐事情も寂しい。
「じゃあ、20,400クレジットね。端末に振り込んだわ」
「どうも。…で、これ」
「なあに?」
「プレゼント」
そう、これの分の代金は別にして貰った。
「なんで?別に今日、なんでもないわよね」
「いいから。開けてみろよ。俺がお前にあげたい、と思ったんだ」
「そう?…あら、香水?」
薔薇の香りの香水は購入している。似たような物だから、彼女は一瞬途惑ったようだが。
「香水、というかアロマウォーターだってさ。付けてみろよ」
言われて、素直に一度吹きかける。
「あ…良い香り」
「桜、ていうんだ」
「桜?素敵ね!」
この前見た、桜の花を思い出したのだろう。心底嬉しそうに彼女は笑った。
「シェリルに似合う、と思ったんだ」
「嬉しいわ!ありがとうアルト!」
きゅう、と抱きついた身体からふわりと、あの桜の香りが漂った。彼女は今ルームウェアだが、脳裏に浮かぶのは闇夜に淡く浮かぶ桜並木の下、桜の和服を身に纏った彼女の姿。
「…夜桜見物だな」
「ヨザクラって?」
「夜の、お花見のことだよ」
「え、でも」
桜はもう、散っちゃったわよねという言葉を、唇で塞いだ。

二人、桜花の香りに包まれて。
その、白い肌に、花片を散らしたい。
「シェリル」
「なあ、に…」
「最近では撮影の予定、あるか?」
「撮影?特にないけど…」
彼女のスケジュールは大方把握しているが、敢えて訊いてみた。
「じゃ、いいな」
「え、何がっ…!?て、きゃあっ!」
一気に彼女の膝後ろを抱え上げ、そのままベッドルームへ。
「何、何どうしちゃったの!?」
ベッドの上でなおも暴れる彼女の首筋、手首、そして足首にその香りを吹きかけ、すり込んだ。
「染まってやるよ」
―お前の香りに。
彼女は一瞬、目を瞠ったが、微笑んでその両手を伸ばした。


「…お客様、お客様」
「あ、っはい!?」
我に返れば、まだ自分はその店にいた。
「大丈夫ですか。立ったまま眠られていたようですが。お疲れのようですね」
心なしか、店員の言葉は冷たかった。
「は、はい。すみません。なんだか…この香りを嗅いだら急に眠気が」
どうしようもない言い訳をし、怪訝そうな表情(彼女たちは必死に誤魔化していたが、自分は見破ってしまったのだ)の店員に見送られ、店を出る。
すると、携帯には留守電が入っていた。
再生すると、
『ごめん!急にランカちゃんと二人でポスターの仕事が入ったの!だからおうちデートはまた今度ね。それで、悪いんだけど、シャンプーはマンションの管理人に預けておいてくれる?じゃ!』
「……」

儚い夢。
それも、春ならではの、夢幻、というものかもしれない。

おしまい





アルトさん、それでも幸せだったよね?(笑)

テーマ : マクロスF
ジャンル : アニメ・コミック

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Author:Rook
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こちらはマクロスフロンティア感想・および原作とは全く関係のない妄想小話の吐き出し部屋です。
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銀河の妖精至上主義
一応映画が公開されるまでの期間限定ですが、もしかしたら延長もあるかもしれません(笑)
→とりあえず完結編公開まで。

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