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entracte

短いのは、鬱ってるからです…。

拍手、有り難うございます!
お返事は改めて。



entracte


 薬も貯金も、もう残り僅かだ。
 電子マネーは使うわけに行かず、持ち込んでいた現金とここで稼いだ金でなんとかつないできたが、薬もサプリも高額で、食費を削っても、もう賄いきれる物ではない。
(もう、いいわよね)
 起きているより、眠っている時間の方が長い。そして目覚める度、自分に残された時間が減っていくことを否応なく実感する。
(ごめんね)
 そっと腹部に手を当てた。
 かつて自分やランカを結んでいた、フォールド細菌。その力を弱らせるには、以前服用していた薬しかないと聞いた。だが、それは、同時に体内の他の細胞も弱らせ、傷つける。そして、腸内に定住していたはずの一部のフォールド細菌は、再び全身を浸食しようとしている…。

 こうしてもしなくても、他の病魔に蝕まれ、寿命が近いのは分かっていた。が、”シェリル・ノーム”がフロンティアで死ぬことは、避けなければならなかった。
 そして自分の存在を、彼女に知られることも。

 他に方法があったかもしれない。
 だが、それしか思いつかなかった。
 ならば。
 ”銀河の妖精”シェリル・ノームではなく、ただの一歌手として、自分がどのくらい歌えるのか。そしてもしかしたら、バサラに逢えるのではないか、という、一抹の期待を抱いて、旅に出ることにしたのだ。
(巻き添えにしちゃって、ごめんね)
 再びそう、腹部に巣くうフォールド細菌にむかって詫びた。グレイスによってシェリルの脳内に寄生し、あの時まで彼女自身を脅かし続けていたが、今はそれすらも愛おしい……。
「っ!?」
 突然、耳鳴りのような、鋭い静寂とともに呼気も止められるような痛みが、左耳から喉にかけて一気に襲ってきた。
(また、だわ)
 急激な難聴と、喉の痛み。ここ数日、しばしば襲われる症状だった。この痛みに襲われる度に、喉の力も、聴力も弱まって行くのが分かる。
(コワイ)
 死ぬのは、怖い。だがそれよりも恐ろしいのは、歌えなくなること、聴力を失うこと。そしてその時は、もう間近に迫っている。
(昔の偉大な作曲家は聴力を喪ってもなお、曲を生み出していたけれど)
 自分にそこまでの強さはあるのだろうか。
(出来るなら、その前に…)
 ベッドの上で身体を縮め、彼女はぎゅっと目を瞑った。



テーマ : マクロスF
ジャンル : アニメ・コミック

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Rook

Author:Rook
ようこそおいでくださいました。
こちらはマクロスフロンティア感想・および原作とは全く関係のない妄想小話の吐き出し部屋です。
最初に来られた方は『はじめに』を一読下さい。
銀河の妖精至上主義
一応映画が公開されるまでの期間限定ですが、もしかしたら延長もあるかもしれません(笑)
→とりあえず完結編公開まで。

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