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25話直後妄想小話。《後編》

ある意味、自分の理想(をい)な展開です。

にしても、これと同時進行でシリアス話も書いているんですが…どうしようかな。

というわけで、後編は続きからどうぞ。

「シェリルが好きなんだ」
そう、はっきりとアルトはランカに告げた。ランカはそれを、目を瞑ったまま黙って聞く。祈るように手を胸の前で組み、暫くはそのまま俯いていた。
だがやがて、
「…やっと、分かったんだね、アルト君」
自分の気持ちに。
ランカは顔を上げ、真っ直ぐアルトの瞳を見つめる。
「ああ。あの時の答え、これでいいか」
――「さよなら。大好きでした」。
あの時の、ランカの別れの言葉。その時は何とか止めようと、「行くな!」とただ叫ぶことしかできなかったが。
「ごめん、ランカ。だから俺は…」
「よぉぉぉぉぉっし!」
いきなりぴょん、とランカは飛び跳ねる、アルトは何とか条件反射で避けたが、避けなければランカの頭突きを顎に直撃されていただろう。
「これで正々堂々と戦えるね、アルト君!」
「……は?」
戦う、とはどういう意味なのか。
呆気にとられるアルトに、
「うん、あたし負けないモン!」
ガッツポーズでランカは告げた。
「だから、何にだよ」
突拍子もない行動をするのは彼女の特技で、アルトはそれに馴れているつもりであったが、今回は流石に読めない。
「え?」
ランカは逆にアルトが疑問を抱いたことを不思議に思ったらしい。
「あたしとアルト君は、”恋のライバル”でしょ?」
「え、こい…?」
「負けないからね!アルト君!」
そう言ってランカが駆け出す。それをアルトが、
「待てよ!ランカ!」
止めようとするが、
「ブレラお兄ちゃん!」
遠くで見守っていたブレラへ、ランカは呼び掛けた。
「どうした、ランカ?」
ブレラがランカの元へまるで子犬のように(とアルトには見えた)嬉々として、駆け寄ってきた。
「アルト君が邪魔しないよう抑えてて!」
「なっ…?」
「何?」
アルトもだが、頼まれたブレラもただ、呆気にとられるのみ。だが、立ち直ったのはアルトの方が早かった。
「どういうことだ、さっきから!?ランカ、お前は俺のこと…」
「うん。言ったよ。「さよなら大好きでした」って」
「でも俺は」
「アルト君」
ランカは腹に手を当てて告げる。
「アルト君のこと、あたし、好きだと思ってた。でも、でもね。それは…幼い恋だったの。あたしはアルト君が好きだったんじゃない。「アルト君が好きなあたし」が好きなだけだった」
「…?」
「…ランカ?」
それはブレラも立ち会ったあの、「グリフィスパークの丘」での別れのことだろうと想像は付いたが、それが今の言葉とどう繋がるのか、二人とも理解できないでいた。
「うん。あたし、確かにあの時までアルト君のこと、好きだったかもしれない。でもそれは「過去」のことだから。あの時も言ったよね?「好きです」じゃなくて、「好きでした」って」
「…ああ」
「あの時あたし、漸く気付いたの。それにね」
遠く離れた場所にいる、シェリルの方にランカは視線を向けて言った。
「あたし、シェリルさんが好きなの。それに、あたしとシェリルさんがこうして出会ったのも、あたし達が生まれた時…ううん、ずっと…それよりうんと前から、あたしとシェリルさんは結ばれる運命だったんだな、って。理解(わか)っちゃったんだ」
「は…!?」
アルトは驚きと怒りの表情を浮かべ、ランカに詰め寄った。
「何言ってるんだ、お前!」
「だって!」
お腹を押さえたままランカは告げる。
「あたしとシェリルさん、今はもうひとつだもん!繋がってるんだもん!」
「…お前な、あれはあの時だけだろう。ブレラも何か言ってやれよ」
アルトはブレラを肘で小突いたが、ブレラは未だ反応できずにいた。どうも思考回路に変調をきたしたらしい。
「それにね、アルト君。さっきも言ったけど、あたし達、生まれる前から一つになる運命だったの。そう、”星座の導き”でもう、知らないうちに惹かれあっていたんだ」
「……戦いの時、歌ってたデュエット曲か」
作ったのはシェリルらしいが、即興で合わせられたのはいくらリンクしていたとはいえ、不思議に思っていた。
「それだけじゃないよ」
ランカは屈んで、徐に地面に木の枝で横書きに文字を書く。そこには、「蘭雪」と。
「これね、あたしのお母さんの名前」
そしてその下に、縦書きで「蘭花」と書いた。
「あたしの名前、漢字で書くとこうなの。でね、シェリルさんが、こう」
そう言って、「雪露」と。
「…それが?」
「気付かない、アルト君?」
「……」
気付いてはいるが、認めたくない事実にアルトはそのまま黙っていた。
「あたしのお母さんの名前にね、もう既にあたし達の名前があるの」
「……言葉遊びか。只の偶然だろう」
アルトの否定に、ランかは首を振る。
「漢字には中国五千年の歴史があって、『言霊』が宿っているんだよ」
「……」
些細な言葉遊びとはいえ、認めてなるものかとアルトは眉間に皺を寄せた。
「だからね、アルト君。もしかしたらもう勝負は付いてるかも知れないけど、お互い頑張ろうね☆」
一方的なランカの宣言に、アルトはますます不機嫌な表情になったが、だがやがて、思いついたように、
「ふん。でもな、俺とシェリルはもう…幾度も夜を共に過ごしている。その意味が、わかるだろう?」
勝ち誇ったように、ランカへ告げた。
だが、
未遂だったんでしょ?」
あっさりと言う。
「みすっ…」
そこまでばれているのか、とアルトは顔を引き攣らせた。
「そりゃあ、アルト君のもーそーの中ではもう、シェリルさんは何度も汚されてちゃっているかも知れないけどっ」
ランカは怒りを露わにし、アルトへ指を突きつけた。
「初めての夜だって、アルト君とシェリルさんが…き、キスした後、シェリルさんそのまま寝ちゃったよね。だから良かったけど、シェリルさん、病気で大変だったのに手を出そうなんて!本当にアルト君って酷い!えっち!へんたい!!
「……」
あの晩。
早乙女の離れで初めて迎えた二人の夜。アルトからシェリルに口付けたは良いが、シェリルは安心したのか、そのまま寝入ってしまっていた。眠っている彼女に手を出すわけにもいかなかったから、アルトは一晩悶々と眠れぬ夜を過ごし、何とか己の葛藤と闘ったのだ。
それに、実は似たような夜は何度かあり。シェリルの部屋に泊まった時も彼女は酔っぱらって寝てしまったり、アルトの方から何度かそんな雰囲気に持ち込んだとしても、シェリルは気付かないのか、さっさと寝てしまっていた。
…どうもそちら方面に関してはグレイスは教育していなかったらしく、ずっと、未だにキス止まりのままだ。
「だからね、アルト君」
高らかにランカは告げる。
アルト君にシェリルさんは、渡さないから!」
「…望むところだ」
こうなったら覚悟を決めるしかない。だが、シェリルの気持ちは自分にあるはずだとアルトは信じている。
アルトの答えを聞いて、ランカは走り出した。
「待っててね!シェリルさんっ!」
「おい、待てランカ!」
EXギアの動力をオンににして、ランカを追い越そうとしたが、その前にブレラが立ちはだかる。
「貴様!」
「…お前を止めることがランカの望みなら、俺はそれに従うまでだ」
「くっ…」
生身でなら勝てた試しはないが、EXギアでならとアルトは勝負をかける。だがそれより先に、ブレラのナイフが飛び、EXギアの動力スイッチを破壊した。
「っ」
装着を外そうとしたが、今度は肩と腕の接合部をブレラに打たれ、ひしゃげてしまい外そうにも外せなくなる。
「行け!ランカ!」
「…行かせるかっ!」
脚部だけEXギアを外して、アルトも走り出す。追わせまいとブレラが攻撃を仕掛け、アルトも何とか応戦する。
サイボーグ相手に生身で、しかも動力が切られ重しになってしまったEXギアを肩身に纏って戦う割には、アルトの動きは良いと思える。が、今は誰もそれを評価する者がいない。だが善戦できたのは5分も満たない時間で、ブレラに抑えられてしまう。
「ランクワァァァァーーーー!シェリッ…ゴフッ」
「五月蠅い」
アルトの絶叫は、地面に吸い込まれ、遠くのシェリルやランカ達に届くことはなかった。

      ****************


「…なあ、ネネ」
「はい、お姉様」
ひそひそと、クランはネネの肩の上で囁き、ネネもそっとそれに応えた。
「…聞かなかったことにしないか、今の話」
「宜しいのですか」
「あいつらには付き合ってられん…」
げっそりと、クランはネネの肩の上で呟く。

それから仲間達と笑いあうシェリルの元へ、クランは駆け寄った。
「クラン」
振り返って笑う、その笑顔は明るく輝いていた。それにほっと安心しながらも、
「なあ、シェリル」
美しく背の高い友人に、クランは語りかけた。
「困ったことがあったら、いつでも言えよ」
「ありがとう。クランもね」
「…まあ、これから色々と大変だろうが…」
「そうね」
うーんと、気持ちよさそうにシェリルが伸びをする。その時、
「シェリルさん!」
「ランカちゃん」
息を切らしてランカが駆け寄ってくる。そして、再びランカはシェリルに抱きついて、
「シェリルさん、一緒に幸せになりましょうね!」
「そうね」
シェリルもそれに応え、ランカの頭を撫でた。
「……」
げっそりと、クランはそれを見守っていると、
「何、クランちゃん?羨ましい?」
「……まあ、な」
「駄目だよクランちゃん!シェリルさんはあげないからねー!」
そう言って、ぐりぐりとランカはシェリルの胸に自分の頭を押しつけた。
「くすぐったいわよ、ランカちゃん」
シェリルはそれでも楽しそうに応えている。
「……なあ、シェリル」
「え?どうしたの、クラン」
「…本当に、困ったことがあったら相談に乗るからな」
「あ、ええ…って、さっきも言ってくれたわよね…?」
「…念のため、な」
疲れたように呟くクラン。
はーふー、と、奇怪な声を上げ、ランカはシェリルの胸に顔を埋めたままだった。

その時、
「わー!バルキリーが墜落したぞ!」
「うわ!森に墜落してるー!」
「誰だ、バルキリー乗り捨てた馬鹿野郎は!!」
「…惑星の環境破壊第一号だな」
騒ぎを見遣りながら、カナリアが呟いた。




この後、大規模な山火事を消し止めるため、フロンティアが備蓄していた水資源の大半を消失したりとか、森の中にあったバジュラの巣が丸焼けになり、一時期パニックに陥ったとか。
そう言った混乱の原因を作った主犯人は、暫く拘留され、シェリルどころか他の友人・仲間達に暫く会えなくなったり、一生涯かけても返せない借金を背負わされたりしたのは、また別の話である…。




…おしまい(色々ごめんなさい)

テーマ : マクロスF
ジャンル : アニメ・コミック

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Author:Rook
ようこそおいでくださいました。
こちらはマクロスフロンティア感想・および原作とは全く関係のない妄想小話の吐き出し部屋です。
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銀河の妖精至上主義
一応映画が公開されるまでの期間限定ですが、もしかしたら延長もあるかもしれません(笑)
→とりあえず完結編公開まで。

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