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バカップル無自覚編

ナル麻衣ばかっぷる無自覚SSSです。 ひとりご満悦博士。 一応おつきあい前ですが。お付き合いする前からこんな感じだと良いな、という妄想です。 読みたい方は続きからどうぞ。
調査が終わり、撤収作業をしていた時だった。 『こーら、素直におなり~』 『うにゃあ、やめてよぼーさん~』  やめて、とは言いながら嬉しそうにしている麻衣と彼女の頭、正確にはその髪をかき混ぜているぼーさんのやり取り。 調査中でも事務所でもその光景は頻繁に見かけるが、その度に疑問に思う。 なぜぼーさんが麻衣の髪に触れるのか。 麻衣がなぜあんなに嬉しそうにしているのか。 それは暫く自分の中で、しこりのように留まっていた。 ある日の夕方。 先日の調査報告書をまとめていて、僕もだが皆忙しかった。今日は安原さんが居ないから、特に忙しかった。 麻衣と昼間食事に出たが、お互い時間が惜しく彼女でさえほとんど雑談もせず早めに食事を切り上げた。 3時のお茶も入れてくれたが、その時も所長室に持って来て、会話らしい会話も無かった。 そして、その甲斐あってか僕の方は目処が着いた。 麻衣はまだ忙しいようで、僕が出ても気付くことなくモニターに向かっている。 喉が乾いたし、自分とついでに麻衣の分もお茶をいれ、彼女のデスクに置いた。 そして、思い立って。 くしゃ。 そっと彼女の頭に触れた。 「へっ?あれ?…ナル」 「人には休憩しろ、と言う割にはお前も休まないのか」 漸く顔をあげた麻衣に告げ、カップを差し出した。 「え?ナルがいれてくれたの?有難う!」 途端に、ぱあっと光射すような笑顔になった。 表情に疲れはあるが、明るい。 「僕は終わったからな」 「…サスガデス所長」 首をすくめながらも嬉しそうにカップに口をつける。 もう一度、その頭に触れ、そのまま指先を滑らせ軽く頬に触れた。 「ふぇ…?」 なんだか間が抜けた呟きを洩らす彼女の表情を視界の隅に捉え、僕は再び所長室に向かった。 …麻衣に触れた瞬間、驚きは伝わったが拒まれていなかった。 そしてその感触。 ぼーさんが彼女に触れる理由は、分かった気がした。 「…不思議だなぁ」 「…不思議、どすなあ…」 「ですよねぇ」 「……」 「だよねぇ」 はう、と軽く吐息をつき、麻衣は綾子手作りマフィンを頬張った。 最近気になる、『ナルの奇行』についてぼーさん達に相談したところ、男性陣からは同意の返事が返ってきた。リンに至ってはどこか遠くに視線を彷徨わせている。 しかし、綾子と真砂子は。 「あれじゃない?ほら、”アニマルテラピー”って」 「ああ、ですわね。それなら納得ですわ」 「へ?」 綾子の台詞に真砂子は力強く頷いた。意味が分からない麻衣に安原が追い打ちを掛ける。 「そうかもしれませんね、所長も最近お疲れのようですし」 「ナルも癒しが欲しいんでしょ」 「…あたしは犬猫かい」 麻衣はがっくりと項垂れた。漸く彼女にも意味が通じたのだ。 「犬猫並の癒し効果はあるかもしれませんわね」 真砂子が優雅に微笑んで、お茶を口にする。 そこへ、 「あ、ナル」 等の話題本人が姿を現した。 「お茶にする?」 その問い掛けに、ナルは軽い頷きと共に。 くしゃり。 「……」 すれ違いざま、麻衣の頭をかき撫でた。 「……」「……」「……」「……」「……」「……」 その光景に他の面々は沈黙の海に沈んだ。 麻衣だけが一人、首を傾げながら給湯室へ向かう。 やがて。 「なんか、あれよね…」 「アニマルテラピーというか、アレですよね…」 「…元々ナルは谷山さんに好んで触れていたようですし」 「…これで付き合っていない、なんて嘘ではありませんの」 「…お二人とも自覚無しですよねぇ」 「…ほんまに、早くお二人が幸せになれるとええどすな」 なんか的が外れているのか当たっているのか、不思議な呟きをジョンが漏らすと、滝川は一人涙を流す。 軽く控えめにドアがノックされ、麻衣が所長室に入ってきた。 「はい、お茶」 「ああ」 顔を上げる寸前の彼女に手を伸ばし、頬に掛かる髪に軽く触れる。 「…あのさ」 不思議そうに麻衣は問い掛けた。 「最近、なんか癖になってるよね?これって何」 「何って」 手元の書籍に目を落としながら、問い返した。 「最近、良く頭とか髪とか撫でてくれるでしょ?なんで?」 「…さあ」 そう返すと、麻衣は黙って踵を返した。部屋を出て、扉が閉まる寸前、 「なんじゃそりゃーー!」 「ど、どおした麻衣!?」 麻衣の絶叫と、慌てふためく滝川の声が響いたが。 ナルは一人、口元に笑みを浮かべた。 麻衣の髪に触れたとき、感じた感触。 麻衣の暖かな感情と、その感触。 自分にまさかこんな感情が芽生えるとは思わなかったが。 その感触は、快感に近いものだ、と感じた。 ぼーさんが好んでするのもわかるし、麻衣の方でも決して拒みはしなかった。 癖になりそうだ、と柔らかな感触が残る指先を軽く握り混んだ。 なんだか騒いでいる滝川と麻衣、所長室に傾れ込もうとする滝川をリンとジョンが止めようと、ますます騒ぎが拡大している。 「一歩間違えればセクハラですね」 「そうよねぇ」 「…リンさんも仰ってましたけど、本当にナルは麻衣に触るのが好きでしたものね」 真砂子は呆れた口調で立ち上がった。 「あら、真砂子帰るの?」 「ええ。仕事がありますし、それに…」 少し言い淀んでから、 「これ以上、あてられたくはありませんもの」 と、呟くように告げる。 「そうね」 あたしも帰るわ、と綾子が立ち上がり、安原も買い出しに行くと言って席を立った。 ……自覚のないバカップルに春が訪れるのはもう間近だと、彼らは確信していた。

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