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まくろふアルシェリ小話~カンダガワ~

神田川アルシェリ(ゑ)

TV戦後の復興時代でアルシェリ同棲、という設定(小説の設定が若干入ってます)。
実は今朝Twitterでやりとりしていて思いついたネタです(笑)
Rさん、ありがとうございます。

書き殴りなので、ただのギャグですごめんなさい。


「ええ~、今日お風呂入れないの!?」
「ああ。ガス釜が壊れちまってな。業者も手一杯で今日は来られないそうだ」
ここは二人で暮らす、小さなアパートの一室。シェリル・ノームならホテルやマンションでも暮らせるだろうが、シェリルはアルトとこの部屋で暮らすことを選んだ。
実際、今は戦後復興の真っ最中で資源不足、高級マンションだからといって贅沢な暮らしは保証されるわけでもない。
現に、今日のように風呂が壊れるならまだしも、ガスや水道、電気が止まることも珍しくなかった。
「じゃあ、どうするの」
不安げにシェリルが問い掛ける。贅沢はできない、とは言え今日も一日歌ってきたから、風呂に入ってゆっくりしたいだろう。
「シェリルは、どこかのスパにでも行って来てくれ」
ホテルのスパなら、どこか使えるところがあるはずだった。
「アルトはどうするの?」
「千束エリアの銭湯に行ってくるよ」
アイランド1の一角にあった、千束エリアー旧き時代の日本の下町が再現された区画ーはそのまま移築されていて、住民も移住し、商店街や銭湯も移築が済んで、もう営業を再開していると聞いた。
シェリルはともかく、懐が寂しい若手パイロットには十分な憩いの場だ。
「セントウ?」
シェリルが小首を傾げたので、
「平たく言えば、風呂屋だな」
と言うと、
「知ってるわ、”カンダガワ”よね!」
何故かシェリルは急にはしゃぎだした。
「…は?」
「グレイスから習った日本の歌よね、カンダガワって。お風呂屋さんの歌でしょう?」
「……まあ、な」
アルトも聞いたことがあるが、それ程詳しくはない。黙っているとシェリルが歌い出したので、
そういえば昔聴いたな…と、アルトは思い起こしていた。
「だから、私も一緒に行くわ!カンダガワ、やってみたいの!」
「ええ!?」
シェリル・ノームが下町の銭湯に。パニックや盗撮騒ぎが起きないだろうか…。
「そうだわ。ランカちゃんやナナセも誘おうっと」
「待て待て待て!」
そんなことを言い出したので、思わずアルトはシェリルのケー鯛を取り上げる。
「何すんのよ!」
シェリルは怒ってケー鯛を取り返した。
「お前一人でも目立つのに、ランカまで誘ったら千束エリアは暴動になるぞっ」
情報はドコから漏れるかわからないのだ。
すると、シェリルは口を尖らせて暫く黙っていたが、
「じゃあ、あたしとアルトだけね」
「おい」
「大丈夫よ、正体がばれそうになったら、”シェリルのそっくりさんです”って言うから。実際、あたしのモノマネしているコにあったことあるけど、結構そっくりでわからないものよ?」
「……」
かなり無理があるんじゃないだろうか。
アルトはそう思ったが、確かにあのエリアで数度シェリルを連れて遊びに出かけたが、住民たちは自然に接してくれたし、マスコミに情報をリークすることもなかった。
それなら大丈夫だろう。
それに”神田川ごっこ”。あれは確かに恋人同士の、切ない時間を歌った物だ。
たまにはそんな逢い引きもいいかもしれない。

銭湯からあがり、外で待つ間に少し冷えた、シェリルの身体。
「冷たいね」
「もう。アルトのせいよ。温めてくれる?」
「ああ」

「……アルト?大丈夫?何か悪い物でも食べたの?口元が歪んでるわよ」
「…なんでもない」

浴衣は流石にシェリル一人で着付けるのは厳しいが、下駄を履いて銭湯に向かった。
カランコロン、という下駄の音に、シェリルは嬉しそうにはしゃぐ。

「じゃあ、後で。一時間後…でいいか」
「そうね。後でね」
男女別ののれんをくぐりながら、シェリルは楽しそうに告げた。アルトには少し不安が残ったが、彼女は気にしていないようだった。
(大丈夫かな)
少し早めに出て、待っていれば問題ないだろうが。

アルトが風呂に入っている間、彼自身千束時代の顔なじみから声をかけられたりしていたが、特に変な絡みをしてくる者はない。みな、自然体で接してくる。
ふと、隣で頭を洗っていた老人が顔を上げ、
「おーい。石けん貸してー」
と、壁の向こうに声をかけると、
「はーい」
と、袋に入った石けんが壁の向こうからぽーんと投げ入れられた。
すると、
「きゃー、なになに!?」
嬉しそうにはしゃぐ声がする。
「じいさんに石けんを貸してやったのさ」
「ええー、すごい。ていうか、つながっているのここ!?」
「まあね」
「へー」
少女は目をきらきらさせて壁を見上げていた。
「面白いシステムね」
「そうかい」
早乙女のぼっちゃんのツレ、というこのお嬢さんはいちいち当たり前のことが物珍しいらしく、反応が面白かった。
なので、色々かまってやった。
そして、風呂から上がってからフルーツ牛乳をおごってあげると、
「ナニコレ!?おいしい!」
「初めてかい。そうかそうか」
その後は備え付けのマッサージチェアにも挑戦し、きゃあきゃあはしゃいでいた。ドライヤーで髪をかわかそうとすると、近所の美容師の若い娘が「だめよ、ここのドライヤーは髪が傷むんだから!」と叫び、そのまま彼女の髪をセットし始めた。

「……遅いな」
大浴場からあがるのは、ほぼ同じ時間だったはずだ。更衣室は完全に隔たれているので、それほど声は聞こえてこないが、風呂から上がり髪を乾かすにしても、それほど時間は掛からないはずだと思ったのだが。
「…冷たいね、って言ったのよ…か」
あの歌とは逆だなとアルトは一人、微笑んだ…。

だが。少し待ってもシェリルはなかなか出てこなかった。
流石に心配になり、番台に訊ねたが、
「あのお嬢さんなら、魚屋さんの奥さんに連れられて帰ったよ」
とのことだった。その店の場所を教えて貰い、訊ねてみたが、
「うちの女房とカラオケにいっちまったよ」
と主人に言われ、
そのカラオケにいってみると、
「おかみさんと美容師さんともう一軒行くと言っていたが」
そうして何件か回ってみたが、結局彼女とは会えずじまい。
しかも。
「カンダガワの時代だから、ケー鯛はいらないわよね」
と意味不明なことを言って彼女はケー鯛を置いていってしまっていた。
とりあえず、一度帰ると。
「……」
酔っ払ったまま寝てしまったシェリルが、ソファの上で横たわっていた。


翌日。
「えー、シェリルさん、銭湯に行ったんですか」
「楽しかったわよ-。その後、仲良くなったおばさまや美容師さんと遊んだし」
「は、はあ…大丈夫だったんですか」
「なにがぁ?」
朝のHR前のひととき、シェリルとランカ、ナナセが話していると、
「女王様、おはよー。お姫様はどうした?」
ミシェルが話しかけてくる。
「アルト?今日は風邪引いてお休みらしいわ」
「風邪なんですか、早乙女君」
「ええ。なんか昨日、銭湯に行って風邪引いたみたい」
「だらしないなぁ、アルト君。じゃあシェリルさん、今日は家に泊まりません?」
「いいわね」

なにがあったか知らない。
だけど、どことなくミシェルは今はいない友人を不憫に思うのであった。

テーマ : マクロスF
ジャンル : アニメ・コミック

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Author:Rook
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銀河の妖精至上主義
一応映画が公開されるまでの期間限定ですが、もしかしたら延長もあるかもしれません(笑)
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