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Fin du voyage -3-

Fin du voyage -3-


どうやってぼかして書こうか迷いましたが、結局その箇所については全部カットしました。
なので、分かりにくい箇所があってすみません。

ここはさらっと読み流していただければ。

いくらフィクションだからって、ご都合主義過ぎることを書いてしまうのはどうかと思いまして…。



久し振りに彼女に触れて感じたのは、恐怖だった。
「……」
彼女に触れた瞬間、周囲の音も視界に映るすべての物も消えた。

後から彼女の雇い主だったというグレイという男や、同じステージで歌っていたという女性シンガーとも話をしたはずだが、何を話したのか覚えていない。
ただ、記憶にあるより軽く細くなった肢体を抱き上げた時、このままそれが喪われるのではないかという恐怖に支配された。
矢三郎やクラン、それにドクが声をかけなければそのままその場に頽れていただろう。

与えられた有給休暇の三日を過ぎてもなお、動くことは出来なかった。病院の配慮で、彼女が検査入院をしている間、別室を借りて休むように言われたがその間、殆ど眠っていない。
生命維持装置に繋がれ、なんとか生かされているその姿を、何度も確認した。
「いい加減顔を洗って髭を剃れ。シェリルが目覚めてみろ、彼女を驚かせるな」
クランにそう言われるまで、自分の顔がそんな恐ろしい形相に変わっていることに気付かなかった。
シャワーを浴びて食事を取ることで、漸く周囲の状況が見えた。その時に、グレイという、シェリルを雇っていたバーのマスターとも話をした。
グレイやドク、矢三郎がそこで得た仮定はやはり、「彼女が歌いながらも自らの死を予見していたこと」「シャトルの爆発事故も偽装の可能性があること」だが、それらはすべてなかったことにされた。
そもそも、「シェリル・ノームはあの事故で死んだのだ」と。
そして、彼女を生かせるための唯一の可能性は。
咽頭部に巣くう、病巣の切除。

だが、最後の瞬間まで歌うことを望むであろう、彼女にそれを告げるのは難しい。
「それなら、彼女が生きたいと願う状況を作れば良い」
クランがそれを告げるまで、その場にいた男どもは思い至らなかった。いや、ドクはもしかしたらうすうす気付いていたのかも知れないが。
「…猶予は」
訊ねたアルトの声に、ドクが応える。
「2週間、というところだろう」
それはそのまま彼女の生きる刻限を意味する。
「…わかりました」
アルトも頷く。それはそのまま彼の決意となった。

何が「わかった」のか、グレイには分からないが、ともかくミシェル—シェリルを生かせるための希望が見つかったのだと知った。
その場にドクとアルトを残し、彼らは病院に併設されたカフェに向かう。
クランから聞いた彼女の話。意外に気が強いこと、そのくせ意地っ張りの寂しがり屋と言うこと、グレイが告げた彼女の話。
歌には厳しいが、その魅力は聴衆を捕らえて放さなかったこと。声質がだいぶ変わってしまったが、それでも他の歌手に比べ、群を抜いて上手かったと。

「歌うために、生きているって…」
アルトの声に、ドクはカルテから顔を上げる。
「彼女はそう、言っていたんだ」
「そうか」



そして、アルトはいくつかドクから指示を受ける。
—つまり、賭について。
可能性としては限りなく低く、だが、それに懸ける価値はあると思われた。






テーマ : マクロスF
ジャンル : アニメ・コミック

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一応映画が公開されるまでの期間限定ですが、もしかしたら延長もあるかもしれません(笑)
→とりあえず完結編公開まで。

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